おかんの店の近くのお店、かつては黒猫のクロマティが飼われていた。何度こっそり手術に・・・と思ったことか。しかし他の子を避妊させているうちに、飼い主に「手術しなさい」と警告したおかんが「もう年けん、手術はせん」と切り替えされ、挙句の果てに私にも「お姉ちゃん、連れて行かんとよ」などと言い出す始末。
それでも・・・と考えているうちにクロマティは死んでしまった。
そのクロマティの飼い主の元へ、最近子猫がやって来た。どこかのおばさんが連れて来たらしい。恐らく自称保護活動家か何かのおばさんだろう。深く立ち入る気はないので、詳しく聞いたことはない。
飼い主のおじさんは多分、分からない人ではないのだろう。昔ながらの、猫という生き物への思い込みや飼い方しか知らないのだ。それで大丈夫、十分だと思っているのだ。しかしそのおじさんも何かが変わったのかもしれない。
おかんもクロマティのことなどがあってから、猫のことで話をするのは避けていたようだ。が、たまたま店の近くを通った時についその可愛さに足を止めてしまったらしい。
そして「今度こそ手術してやらんば」という言葉に、おじさんは「うん、する」と答えたそうだ。
名前は「イチロー」。子猫が来た日に、イチロー選手がホームランを打ったから、なんだとか。
願わくば、猫のためにも完全室内飼い、と言いたいのは山々。田舎ではまだまだ外出自由を当然の猫の飼い方として考えられている人は多い。最早都会も田舎も安全ではないというのに。
が、今イチローは店内に長いリードと胴輪で繋がれている。できるだけ動き回れるようにという配慮なのだろう。夜は住居になっている店の2階で過ごす。比べるのは間違っているが、完全に放し飼いだったクロマティのことを思えば、胸を撫で下ろしているのも事実。成猫になった時にそのリードをおじさんがどうするのか、という一抹の不安はあるけれど・・・。
おかんを迎えに行った時、暇があればイチローを構いに行く。何か変わったことがあった時、すぐに気付けるように。これは、おじさんにとって私がただの猫好きではなく、猫のことに関して一目置く存在となり得たら・・・という下心があるからなのだ。
ま、単に私がイチローを構いたいせいでもあるのも、決して否定はしない(笑)
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