柴田よしき/徳間書店
★★★★
中学の修学旅行で、同じ班の女の子が忽然と姿を消した。混雑したバスの中、女の子・冬葉を見失ってしまった三隅圭子、秋芳美弥、御堂原貴子、長門悠樹、東萩耕司、鯖島豊は、謂れのない非難を浴び、それぞれに心の傷を抱える。
消えることはないながら、日々の生活に思い出すことも稀になった冬葉の存在。失踪から20年、突然冬葉を名乗るメールが送られてきた。生きている冬葉本人からなのか、それとも・・・?
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結構分厚くて、フォントだって大きくはないのに、かなり一気に読ませられてしまいました。
一つには、主人公達が同じ年(まぁ、正確に言えば一学年下なのかもしれないけど・・・)だったせいもあるのでしょう。身につまされる感覚だとか、すごく生々しく感じられる感情などもあって、ミステリを読んでいるだけではない感覚が常に纏わりついてきました。嫌なものではなかったですけどね。
そういう構成だったせいもありますが、上記のようなわけで、敢えて犯人を推理しようとしなかったとも言えるし、推理することすら思いつかなかったというのもあって、ラスト近くまで犯人は予想できなかったです。しかしこれは犯人を推理する部分に醍醐味があるわけではないんじゃないか、とも思うんですよねぇ。違うかな?
実際にこんなことが自分の身の上に起こったら、これってかなり後の人生に影響しちゃうんじゃないだろうか、とちょっとぞっとしました。その上、真相を知ってしまったら、それはそれで何だか救われない。いや、救われる部分もあるんだろうか?少なくとも、一つの区切り、にはなるのか・・・。
事件の真実もさることながら、人間の怖さとか弱さとか悲しさとか、やはり織り込まれてて、じっくり考えると結構重たい内容かもしれない。もちろん、ミステリとして十分楽しめるとも思います。
読書、あれからなかなか進まない・・・。(笑)