伊坂幸太郎/東京創元社
★★★
晴れて大学生となり、下宿生活を始める椎名。ボブ・ディランを口ずさみながら片づけをしていると、いきなり、隣人の河崎に「書店を襲わないか」と持ちかけられてしまった。同じアパートのアジア人に「広辞苑」をプレゼントしたいのだ、という。
一度は断った椎名だったが、何故か結局、彼は河崎に言われるまま、裏口で見張り役をすることになってしまった。
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正直、冷静な判断ができないくらい辛かったです。
その事件をきっかけに物語りは発生し、それ故の書店強盗へと繋がるのですが、「動物の虐殺」が書かれている作品を、私が冷静に読めるはずがありません。借りる前に知っていたら、借りなかったかもしれない。
伊坂さんの作品は、とことん悪い奴らが必ず因果応報を受ける(少なくとも今まで読んだ作品は)から、と自分に言い聞かせてみても、そして具体的にそういう虐殺シーンの描写がないにしても、「動物が虐殺されている」、そのことを匂わせただけでもとんでもなく苦しい。
あまりにも苦しくて、決してやらない禁じ手を使ってしまいました。読んでいる途中でラストを読む、という・・・・・・。
作品としてはもちろん面白いと言えます。けれど、やはりこの苦しさを考えれば、素直に面白かったなどとは言えない。それは作者の伊坂さんにせいでは決してありませんが、あくまでも★の数は私の読後感ですから・・・。
さりげなく、「陽気なギャングが地球を回す」と微かにリンクしている設定がありました。それは・・・読んでのお楽しみ。
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