恩田陸/中央公論新社
★★★★
ある夏の日、少女達が「船着場のある家」で合宿を始めた。夏の終わりの演劇祭で使う背景を仕上げるために。
かつて忌まわしい事件があった家。
けれど少女達は、ただ素晴らしい夏の日を、過ぎてゆく日々を愛し、素晴らしい想い出を作りたかっただけだった。少年の、頑固なまでの、真実を知ろうとする気持ちが陰を落とすまでは・・・。
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現実でも、こんなふうにすっきりと事実や因果関係が分かったら楽だろうに・・・と思ってしまいますね。
正直、この作品はあまり内容に期待せずに読み始めたのでした。ミステリものやファンタジーや、そういったストーリーには比較的につきもののハラハラドキドキワクワク、そういったものは何もなかろう、と。
確かにそういったものはあまりなかったものの、これは個人的には空気を味わう類の物語なんじゃないか、と思えるくらいには満足です。心身に漲るような、とか、興奮冷めやらぬような、といった満足感とはまた違って、澄んだ空気を吸い込んだような満足感。内容的には澄んだ空気とは言えないかもしれませんが・・・。
「ネバーランド」がドラマ化されたのなら、この作品もドラマ化されても良さそうなのにな。
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