恩田陸/幻冬舎
★★★☆
2002年2月11日、いつもと変わらないその日に、それは起きた。郊外の大型商業施設で起こった、誰にも説明のできない、原因特定もできない、しかし死者69名、負傷者116名を出した、大規模事故。
その日、その施設で、一体何が起こったのか?
質問と答えだけで書き進められる物語。
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いや、これ「推理・ミステリー」に区分けして良かったのかな???他にこれぞというものがないのだけど・・・。SFっていうわけでもないし・・・。
タイトル通り、質問と答え、つまるところ会話しか存在しないので、ある意味読み易い。しかし一人一人の視点での、さらに過去の記憶という枠が、全体像を中々こちらにも見せてくれないもどかしさはある。
一つ一つの(恐らく)偶発的でないパニック誘発因子と、偶然(実はそれも何かしらの故意が絡んでいたのか?)の出来事が、恐ろしいほどのパニックを起こさせてしまう。人だけでなく、生き物は集団になってしまうと、単体でいるよりも恐ろしい。常々思っているけれど、どこかに個人の理性が残っていたとしても、それを押し通すことができなくなるのが集団狂気なのだと思う。それを嫌悪してみても、きっとそこに居合わせれば、私もそう行動してしまうのだろう。
事件だけのことに留まらず、そこに居合わせた人々が持つ日常や背景、過去をも絡み合わせてあることが、より一層事件が、その性格は奇妙ではあるが、誰にも起こり得る日常と隣り合わせのものであることを強調している。だからこそ、何とも言い難い恐さが感じられる。が、最後のエピソード?だけが何とも浮いた感じになっているのは否めない。もちろんそれすらも非日常とは言い切れないとは思うが・・・。
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