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「麦の海に沈む果実」

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4062739275恩田陸/講談社(文庫)
★★★★
三月に始まり、三月に終わる不思議な学園。あらゆるものから隔絶された、まさに「学園帝国」。
三月以外に学生が発つことも、やって来ることもないはずの学園に、理瀬は二月の最後にやって来た。二月に学園へ来たものは、学園を破滅に導くという伝説がまことしやかに囁かれ、理瀬は有無を言わさず注目されるのだった。
決して全体を見渡せない造りになった学園内の建物、男性・女性の二つの姿を見せる校長、いつの間にか姿を見せなくなる学生達・・・。学園の中で一体何が起こっているのか、そして理瀬は何のために二月の最後にここへやってきたのか・・・・・・?
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前回に比べるとまだ全体が分かりやすいものの、摩訶不思議な感は否めない。というより、これが作者の作風なのかな。まだ4冊しか読んでないけれど、この不可思議さは共通しているように思う。最初から不可思議さ全開というものもあれば、いつの間にか不可思議さに侵食されている、もしくはラストに不可思議が凝縮されていたり・・・と形はそれぞれだが。
けれど正直に言えば、「Q&A」の時と同じく、ラストは何だか肩透かしを食らわされたような感がある。もちろん「そういうことかぁ」という感想もあるのだが、それまでの盛り上げ方を考えると、「え!?そんなラストなの?」というような・・・。ラストに何を期待していたのかと言われれば、答えには困る。もしかすると私は伏線の読み解き方を間違っているのかもしれないな、恩田作品に関しては。だから予想するラストの方向性が違っていて、落胆するのかもしれない。
でももちろん★を4つつけたように、この本は面白かった。そもそも恩田作品に描かれる世界や、大まかな内容はとても私好みなのだ。ラストで肩透かしを何度食らわされようと、恐らくこれからも恩田作品を読み続けるだろう、と言えるくらいに。
この作品にも関連作がある(「三月は深き紅の淵を」を経て「麦の海に沈む果実」を読んだのも、関連性があったから)そうなので、次はそれらを借りてみよう。

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