
柴田よしき/角川書店
★★★★
新宿のビデオ店摘発で押収された裏ビデオの中に、残酷極まりない強姦シーンが撮影された1本のビデオがあった。被害者は若い男性。そして恐らくそれは犯罪現場を撮影したものと推測された。
男性優位社会の警察組織で、自分の生き様を見つけようとする緑子は、チームを組んだ防犯課の慎二と共に、被害者の特定へと進んでいく。やがて一部の被害者が特定されるが、いずれも交通事故死、自殺の後だった・・・。
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ある意味かなり重たい。面白いんだけど、ずっしりとのしかかってくるものがある。感じるもの、受け取ったものが強烈過ぎて、ただの推理・ミステリーものとして分類するのが躊躇われたほどに。
この作品を読んだ男性は、どんな感想を持つのだろう。事件のことにしても、緑子が晒されてきた屈辱に対しても。
きっと随分と違う感想を持つのだろう。緑子が作中で「およそあらゆる犯罪の中でも、男と女でこれほど認識の開きがある犯罪(レイプ)は、多分ないだろう」と思ったように、きっとこの作品を読んだことで感じるものは大きな開きが出るのだろう。
最終的に緑子が選んだ、誰よりも愛した人物を、私は何だか受け入れられないけれど、それでも緑子という人物がとても魅力的だったことに加え、事件の展開等々にもぐいぐい引っ張られ、あっという間に読み終えてしまった。しかし、裏にいる人物は結構早々に読めちゃいます(^^;)。であっても、読ませる、のだから、やっぱり柴田さんは筆力のある方なんだと思う。この初めての長編を第十五回横溝正史賞に応募して、見事受賞したことがそれを証明している。
既にRIKOシリーズはこの他に2作が刊行されているが、そちらを手に取るのが楽しみなような、恐いような・・・、そんな心境だ。
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