リリアン・J・ブラウン/早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)
★★★★
ピカックスに、ハリウッドで大成功した人物が帰ってくるという。オウムをこよなく愛する老婦人セルマは芸術的な何十個もの帽子と、彼女に心酔する有能なアシスタントと共にプレザント・ストリートの住人となった。事故で兄を亡くした彼女には甥だけが唯一の血縁だった。
彼女の歓迎会にクィルが納屋を提供するが、猫嫌いのセルマのためにココとヤムヤムは東屋に隔離されるが、室内に戻ったココは気に入らない何者かを威嚇するような態度を取る。そして深夜、クィルはまたもココの死の咆哮を聞くことになる・・・。
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推理ものと断言できない作品の傾向が強まっているように感じるのは私だけ?確かに事件は起きるし、推理ものとしての要素は十分にあるのだけれど、ピカックス、もしくはムース郡での日常が描かれているページの方がきっと絶対に多い。しかし、ということは、今回の散りばめられたいくつもの新しい出来事や催し、計画等が、これからの事件へと絡んでいくのも想像できる。
まぁ、事件があってもなくても、日常は存在するわけで、きちんとクィルやポリー、ライカやミルドレッド、そして多くの愛すべき住人達の普段が描かれているからこそ、このシリーズは面白さを増すのだろうとは思う。
今回は事件よりも、新しい住人、そして新しい計画のいくつかにより興味を惹かれた。特にキット・キャット計画やポリーに関わるあるプロジェクトは。次巻以降での展開が楽しみ。(うん、こういうお楽しみはこのシリーズならではかなぁ、やっぱり)
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