森博嗣/講談社
★★★★
アメリカから帰国した四季は13歳。妃真加島では研究所の建設が着々と進んでいた。
四季は叔父・新藤清二に二人きりで遊園地へ。思わぬ場所で出会った各務。何者かに誘拐される四季。四季と瀬在丸紅子と四季との再会。
かつては感じなった、考えなかった思考を経験していく四季は、やがて一つの行動へと進んでいく。
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「すべてが・・・」での年齢、そしてその頃の精神状態や環境に近づいて来たせいか、「春」よりも四季への気持ちが軟化したように思う。やはり四季だな、と感じる。その合理的で、簡潔な精神が、私は何よりも好きだったのだろう。今でも好きではある。まぁ、好きでいられるのもあくまでもフィクションだからだが。
しかしこの作品にしても、これまでのS&MシリーズやVシリーズにしても、四季や犯人達の善悪や生命について論じる作品ではないと割り切ることにしている。求めているのは難しい方程式やパズルを解いていくような手応え、解答を導き出した時の充足感。
今回は解答を導き出すという結果を得られる作品ではなかったが、表面的に知っていた物事の裏側にあったものを別の視点でトレースできるという楽しさは、十分堪能できた。
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