
上橋菜穂子/講談社
★★★★☆
闘蛇を育てる闘蛇衆の村で、獣の医術師として生きる母。その母が、闘蛇を死なせてしまったことで、処刑されてしまう。エリンは子供の身で必死に助けようとするが、結局は救うことができなかった。
孤児となってしまったエリンは、怪我をした彼女を救ってくれたジョウンの元で共に蜂飼いをしながら穏やかに暮らしていた。そしてエリンの生き物への好奇心は、山の中、野生の王獣を見たことでさらに大きくなる。いつまでも続くかと思った穏やかな暮らしは、しかしジョウンの息子が現れたことで、大きく変化していくのだった。
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野生に生きる闘蛇や王獣と、人に囲われ生きる闘蛇や王獣。
それは、種の違う生き物との関わり合いをしている私には、幾分身につまされる部分があったりもします。もちろん、状況も何もかもが違うので、引き合いに出すことすら意味のないことですが、「生き物は異種からの自然でない強制力(生存のための捕食行為などはこれに入らない)を受けずに生きられることが理想だ」と心の内に思う身にとっては、複雑なものを感じるのです。
ともあれ、エリンが思い悩みながらも、その心の内に沸き起こる思いや願いを、自身の手に掴み取っていこうとする様は、無心に応援したくなってしまいます。
上橋女史のキャラクター達は、そういうふうに思わせる生き様をしてますよね。
その上、リランはめちゃめちゃ可愛いし(≧▽≦) 目の前にいたら、可愛い、だけじゃ済まないでしょうけれど。
惜しむらくは、内容量が心持ち少なく感じられたことでしょうか。厚さに見合わず、さっくり読めてしまったのは、女史の文章の巧みさだけではないようにも思います。
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