湯本香樹実/文藝春秋
★★★★
母と僕の2人の生活に突然現れた「てこじい」。狭いアパートの片隅で、寝る時さえも座ったままのてこじいに、僕は不思議に惹きつけられていた。
それまで泣くことの多かった母が泣かなくなり、けれどてこじいに対してはまるで凸凹な奇妙な態度で接していた。
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離婚して、感情が不安定なことも多い母との暮らしも、そしてそこにてこじいが現れてからの暮らしも、「僕」の暮らしはどこかしら羨ましいような気がする温かさがある。もちろん、母が泣くことの多かった時よりも、てこじいと3人の暮らしの方がより一層ではある。
現在の「僕」が、生前の母とてこじいのことをもっともっと話しておけば、聞いておけば良かった、と思う気持ちがとても強く伝わってくるのは、似たような想いを私が持っているからか?
ばあちゃんと、もっともっと色んな話をしておけば良かった・・・と。
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