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「ザ・ギバー―記憶を伝える者」

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ザ・ギバー―記憶を伝える者
★★★☆
完全に組織化され、画一化され、不平等も、病も、感情の乱れさえない社会。
子供達は年齢ごとにグループ化され、同じことを学び、そこから外れるものは"リリース"される。それぞれが職業につくことができる12歳という年齢を迎えるジョーナスは、自分がどういう職につくのか、落ち着かない心境にあった。
そして<職業任命>の儀式の時、ジョーナスは、職業ではない、「記憶を受けつぐ者」に選ばれたのだった・・・。
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天のろくろ」に続き、こちらも茉里さんとこでピックアップさせてもらった作品。

この社会の設定を考えれば、リリースの意味や「記憶を受けつぐ」ことの意味は案外簡単に想像がついてしまういますが、細かなところで「へぇ~」と思わされる設定があったりして、新鮮でもあった。そっかぁ、色ねぇ。色ってそういう影響を与えるわけだ。「天のろくろ」にも、ある意味似たような箇所があったな。
けど、色があった上で、そういう問題をなくさなければ、問題を解決した、乗り越えた、ことにはならないのにね。結局この社会がなし得たことは、「逃げ」でしかないわけだ。ジョーナスがその中で、記憶を受け継ぎ、そしてああいう選択をしたことが無性に嬉しい。

ラスト、どう読み取るのも読者の自由らしい。
SF的にというよりも、心象的抽象的に、私は悲しいラストを思い描いてしまった。だから、できればどういう方向にでもいいから、もう少しハッピーエンドに近いラストシーンを描いて欲しかった。もちろん、あのラストからハッピーエンドだって想像できるのですけどね。
ああいう状況、私にとっては単なる物語の中のシーンではなく、生々しい胸の痛みを伴うものだから・・・。

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