ジョージ・R・R・マーティン/早川書房(ハヤカワSF文庫)
★★★
レストランで暴漢に襲われたタフ。その暴漢は、彼の故郷の星を、タフトとモーセが結託して乗っ取ってしまった、と非難する。彼の話を聞き、モーセから星を救おうと言うタフだったが・・・。
上記の他、ス・ウスラムの5年後と10年後を書く2話を含む4編収録。
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疲れは減ったけれど、何とまぁ、イライラさせられるお客さん達でしょう。
タフの暴走がどうこうとか、傲慢さがどうのとか、狂気がなんだとか、ってことよりも、タフが相手をする客達の考え方、価値観の方が「どうよ?」って思うんですが?
特にマー・スパイダーことトリーに至っては愚かとしか言えないというか、随分と身勝手というか・・・。
タフの売り込みというパターンももちろんありますが、大抵は客自身が<胚種船>の力を自分のいいように(まぁ、金は払っても)使おうとしておいて、100%自分の望み通りにならないとなると、途端にタフが<胚種船>を我が物としていることを詰る。確かにトリーの言うことも分からないではないです。しかし何を絶対に守らなければいけないか、決して切り捨てられないのは何かを考えれば、選択肢はタフの示すものしかないはず。人に神のような所業は許されない、というのなら、それが何より大事なら、<胚種船>の力さえ頼ってはならないのです。
いや、突き詰めれば、<胚種船>の存在そのものが本当は間違っているのだとは思いますけどね。
すべての条件を満たす結論は決して望めない、のであれば、取捨選択は必ずしなければならないのです。それをしたくないから、と言うなら、それもまた選択なのです(タフの言うように)。
タフの言葉も行動も、間違ってはいない、と思う私もまた傲慢なのかもしれませんが、悩んで悩んで悩んで自分の選択をしてきた自分を恥じることもないですし、同じ状況にあれば、きっとまた同じ選択を続けていくでしょう。
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