西澤保彦/光文社
★★★★★
法外な報酬と、好奇心に駆られて引き受けたアルバイト。それは違う人物になり切って、1ヶ月の間過ごして欲しいというもの。
面識のない女性と少女と共に、どことも知れない別荘へと連れて来られた十(つなし)和人は、徐々に妻役の女性に惹かれて行くのだった。そして気後れしていた一家の主、夫、父としての役にも惹き込まれて行くのだが・・・。
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どんなトリックが隠れてるんだろうなぁ、と思っていたら、これってば、別にミステリーものでも何でもなかったのですねぇ(^^;)
確かに西澤さんが表紙の折り返しで書かれているように、これまで異常にあり得ない話ではありますが、それでもこういう設定だからこその、お話、なんですよね、これは。
いいと思います。すごくいいですよ。家族愛だとかっていうのとはちょっと違うけれど、3人の間に徐々に染み込んでいく、家族と、家族と共に過ごす時間を慈しむ感情がたまらなくいい。
あり得なさ過ぎる設定が、好き嫌いの分かれるところかもしれませんが、私は大好き。
ラストがどうなるのか、と途中からかなり不安になりましたが、今までの作品の中で、「好きな西澤作品は?」と聞かれたら、タック&タカチシリーズよりも先に、こちらを挙げてしまう気がします。
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