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ゲド戦記 最後の書「帰還」

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帰還―ゲド戦記最後の書アーシュラ・K・ル=グウィン/岩波書店
★★★★☆
一人の女性としての人生を歩んできたテナー。忌まわしい行為の犠牲となりながら、生命を取り留めたテルー。世界の崩壊を自らの魔力全てと引き換えに救い、自身は抜け殻のようになってしまったゲド。
世界の綻びは、扉が閉められた後もなお、色濃く人々を翻弄し・・・。
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これまでの3作とは明らかに違います。暗いし(^^;)
けれど救いのない話ではありません。決して。
確かに前3作はファンタジー色も強く、若者が挫け、挫折し、道に迷おうと、障害を乗り越えようとする姿にドキドキもハラハラもあったでしょう。最後にはしっかりと成長した若者の姿が描かれ、清々しかったかもしれない。けれどその若者らも年を経、けれどやはりまた別の挫折や障害を前にすることだってある。それでも人はやはりそれを乗り越えていける。暴力や差別も人を完全に打ちのめしてしまうことはできない、そんなことをこの作品は静かに、力強く訴えているように思える。

私自身はこの暗さ(途中はね)にも関わらず、一気に読んでしまうことができた。多分、それは単純に登場人物の会話が多いせいだと思う。テナーとゲドという、もっと絡んだ話が読みたかったというキャラクター、そしてある意味対極をなしている存在が交わす言葉のやり取りはとても面白く、示唆に溢れるものだった。
「アースシーの風」を読むのが楽しみだ(^-^)

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