恩田陸/新潮社
★★★★☆
夜を徹してただひたすら歩き続ける「歩行際」。朝から翌日の午後まで、ただただ歩き続けるのだ。そんな行事が貴子の高校では何十年も変わらずに続いていた。
高校3年、今年が最後の歩行際となる貴子は、歩行際にある賭けをする。
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何か事件があるとか、不思議なことが起こるとか、そういったことは何も一切ないのだけど、何故か一気に読んでしまう、そして特別な何かがあるわけでもないけれど、静かに気持ちの中に何かを残してくれる1冊。
「博士の愛した数式」ほどのはっきりと分かる残り方ではないのだけれど、それでも「読んでみて」と人に言える作品だった。
ここまでの徹底したものではないけれど、私の母校でもただ歩くだけの行事があった。朝出発して、夕方には戻ってこられる程度のものだけど、それでも「ただ歩くだけのことが何でこんなに特別なんだろう」と言う登場人物の言葉に揺さぶられる琴線を持つ程度には貢献してくれた。忘れていたあの時の風景が甦ってきたもの。それも、そう、高校3年の時の風景が。
そしてもう一つ、忍が「ナルニア国ものがたり」に関して愚痴った内容、私も身につまされた。同じことを思ったから。私なんて30も過ぎてから読んだから余計にそう思ったよ(笑)>忍
やっと「図書室の海」で「ピクニックの準備」を読んでから悶々としていたものがすっきりした。最後に書かれたいた人物は、あの人だったんだねぇ(^-^)
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