荻原規子/徳間書店
★★★☆
坂東武者の家に育った草十郎は、平治の乱に加わり、京から落ち延びる。途中、三郎頼朝を助けて一行を脱落し、やがて初めて心を寄せようとした義平が斬首されたことを知る。自分自身がどう生きて良いのか分からないまま、草十郎は六畳河原で死者のために舞う糸世と出逢うのだった。
糸世の舞と草十郎の笛の共鳴りが産む大きな力の行く先とは・・・。
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勾玉は出てこないけれども、確かに勾玉に流れる人々の末の人間達の物語だ、と思えます。鳥彦王も出てくるし。
無二の存在が目の前から奪われ、それを命がけで取り戻す物語、という点でも勾玉三部作の連なり。それはそれで気持ち良さもあるし、設定はそれぞれ当然違って面白いのだけど、どことなくマンネリ感を感じてしまうのは否めない。さらにどこがどうというわけではないが、間延びしたというか、流れがもっさりしているというか・・・。
それでもこの繋がりの別作品が出れば、迷わず読むだろう(機会があれば作者も物語を編んでみたい、とあとがきで仰ってることだし、期待♪)。基本的に好きは好きなのだ、荻原さんの作品は。それってつまるところは、彼女の物語感とか世界観とか価値観にも好感を持っているということでもある。だから結局、どんな感想を持とうが、荻原作品の主人公達(それ以外の重要キャラ達もだが)はとても好きだ。
今回、幸か不幸か、NHKの「義経」のお蔭でイメージを湧かせやすかった。義経は作品には全く出てこないけど。
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