カレンダー

« 2008年4月123456789101112131415161718192021222324252627282930

「時の町の伝説」

| | コメント(0) | トラックバック(0)

時の町の伝説ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/徳間書店
★★★★☆
1939年、ヴィヴィアンは空襲を避け、疎開するための列車に乗っていた。遠縁の家に身を寄せるはずが、駅で風変わりな男の子に捕まり、連れて行かれた先は『時の町』という、あらゆる時間・歴史から切り離された世界だった。
ヴィヴィアンはその町を滅ぼすと言われている『時の奥方』に間違われてしまったのだ。
********************************************

ヴィヴィアンがジョナサンに捕まり、彼とサムの誤解を解けるまでの退屈なこと・・・(ジョーンズ女史、ファンの皆様ごめんなさい!!)。これがジョーンズ女史の作品じゃなかったら、一層苦痛だったろう。女史の作品であるからには、必ずどこかの時点で加速度的に面白さが増していくのが、経験上分かっている。
案の定、後半の面白いこと。何度も何度も伏線のように名前が出てきたあの人物が、そんなことを考えていたとはね。別のあの人物がそういう人物だというのは想像がついたけれど、あの伏線がそういう意味だったとはうっかりしていたな、私としたことが。
そういう気持ち良い伏線のかわし方と、基本的に大団円であること(けれど背景には現実に存在する問題だって誤魔化すことなく描き込まれている)、そして前述の「必ずどこかの時点で加速度的に面白さが増していく」点がある限り、ジョーンズ女史の作品を読まずにいることはできないと思える。あ、もう一つ、少年や少女、そして周囲の大人が一つの成長―ぱっと理想的な人間になるのではなく、失敗や挫折をしっかり経験した上で、そのことに関して一歩の成長を得るのだ―を遂げる気持ち良さも。
しかし『バターパイ』、一度味わってみたいものだ(笑)

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「時の町の伝説」

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://kakkie.com/mt/mt-tb.cgi/155

コメントする