ダイアナ・ウィン・ジョ-ンズ/徳間書店
★★★★☆
「このクラスに魔法使いがいる」という1枚のメモ。魔法は取り締まられ、魔法使いは見つかれば火あぶりにされてしまうというのに、誰がそんなメモを?
そして学校内では次々に不思議な事件が起こった。突然音楽の時間に数え切れないほどの鳥が集まり、学校中の靴という靴が講堂に溢れ、ついには副校長の息子が「魔法使いにさらわれる」と書き残して、姿を消してしまった。
一体、生徒の中の誰が魔法使いなのか・・・?
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前半、「本当にクレストマンシーのシリーズなのか?」と思いたくなるような展開。魔法は何とか出てくるけれど、それも寄宿学校の気分が滅入るような酷さや腹立たしくなるような日常の出来事に、影は薄くなるばかり・・・。
しかし一人一人の子供達の描写の巧みなこと。最初は情けないだけの少年かと思いきや、状況判断の上手い子だったり、想像を憩いにしている少年かと思いきや、激しい想いを抱えている子だったり、不必要に周囲に自分の自信を吸い取られているだけの少女かと思いきや・・・と、きっと実際に現実の子供達が抱えているであろう悩みや不安、苛立ちが織り込まれている。そしてその子達がそれぞれに自分の持つ何かを目覚めさせる姿は、魔法のシーン以上にワクワクしてしまった。
前半、あんなにも時間がかかったというのに、後半はあっという間に読み終えてしまった。残念でならない(笑)。
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