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「蟹塚縁起」

| | コメント(2)

蟹塚縁起梨木香歩/理論社
★★★☆
名主の息子が蟹に惨い仕打ちをしているのを助けたとうきち。
息子は父親の名主に嘘を言いつけ、名主はとうきちの唯一の牛を取り立ててしまった。
そして蟹が恩返しのために大群となって歩き続ける光景を見ながら、とうきちはかつて自分が無念のうちにその地で死んでしまった武士の生まれ変わりだと言われたことを思い出していた。
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何とも暗いタッチの絵なのに、読み進むうちに最初のイメージとは違って、妙に話としっくりしてきたのが不思議。
恨みを捨てきれていなかったことで、知らず知らずのうちにその因縁を今生にも持ち込んでしまったとうきち。それを前世の、そして今生の恩を還そうとする蟹達に気付かされるのだが、それに気付けたとうきちは幸せ者だと思う。それに気付かず、蟹が仇を取らせることだってできたはずだ。もちろんそうすれば、きっとその因縁はまた来世にも持ち込まれたはずだが・・・。
情の深さは、諸刃の剣であるけれども、それは人には決して手放せない、必要なものなのだろう。

コメント(2)

>それに気付かず、蟹が仇を取らせることだってできたはずだ。もちろんそうすれば、きっとその因縁はまた来世にも持ち込まれたはずだが・・・。

そうなんだろうか。
そうなんだろうな。
私、そこまでかんがえられなかったんだけど、その通りですよね。
深いですね~。
こうやって読めるのっていい本ですよね。

freeplanetさま
コメント、ありがとうございます。
深く読めているのか、実は分かってません。その時の自分の精神状態や
環境を物語りに反映させているだけなのかも。
でもそんなふうに反映させられる本って、確かに良い作品なのだと思います。
私にとっては梨木さんの作品がそこに含まれる、というのはきっと幸運なこと
で、そして梨木さんと作品の存在を教えてくれた先輩にとても感謝しています(^-^)

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