菅浩江/早川書房
★★★★
成長型の人工臓器で生きる主人公と、彼女の4人のクローンの心の襞を綴る表題作「五人姉妹」、「永遠の森」の博物館惑星を舞台にした「お代は見てのお帰り」、想いを素直にさらけ出せずに仮想世界での憩いに嵌ることもできない女性の片想いを描く「ホールド・ミー・タイト」他6篇。
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特に印象に残ったのは、表題作と「ホールド・ミー・タイト」、そして「夜を駆けるドギー」。恐らく、9篇の中でもハッピーエンドの香りが強いからかな。私は創作の世界には形は違ったとしても、ベクトルはハッピーエンドであって欲しいと考えているから。
他の作品もとても素晴らしいとは思う。短編でこれだけの設定や要素を上手く練り込んである。遠く遠くの未来ではなく、もしかしたらすぐ目の前くらいに感じられる世界で、でもやはりそこにあるのは人と人との触れ合いで、それが素敵で、でもやっぱりそれが問題の原因だったりもする。人が人である限り、これはきっと変らないことなのだろう。
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