高橋克彦/文藝春秋(文春文庫)
★★★★
望まない仕事、望まない役職についてからというもの、中途半端な頭痛が続いている。その原因は、父が早くに亡くなったことへのトラウマなのか?『前世の記憶』
風の匂い、土の匂い、故郷の匂い・・・匂いにも、懐かしい記憶を呼び覚ます何かがある。いつも見る夢の中で嗅ぐ、至福の匂い。それが何か、知っているはずなのに思い出せない・・・。『匂いの記憶』
他6編収録。『緋い記憶』に続く、「記憶」シリーズ第2弾。
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人の記憶の不思議さはよく言われるが、それにさらに前世療法や過去の殺人、非現実体験なども相まって、何とも言えない余韻を残してくれる作品ばかりだった。
恐らく私にもあるであろう、奥の引き出しに仕舞われたきりになっている記憶があるのだろう。それを思い出してみたくなったが、それは不用意に開けていい引出しではないのだろう。いつか、何かの拍子に自然に開くのを、期待と不安の混じった気持ちで、待っていようと思う。
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