梨木香歩/新潮社(文庫)
★★★☆
深夜の、祖母をトイレに行かせる世話を、ひょんなことから母に代わって始めた考子(こうこ)。その対価にというわけではないが、念願の熱帯魚を手に入れる。
そして祖母は、考子と過ごすその時間帯にだけ、祖母と孫娘ではなく、さわちゃんとこうちゃんになるのだった。
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悲しくて透明な、人間の醜悪さ。そんなふうに言ってしまうことは傲慢だろうか。さわちゃんもこうちゃんも、責める気持ちがあるわけではない。私の中にもあるものだから・・・。
さわちゃんが自ら浄化できなかった苦しみが、それとは意識されずに、孫の考子=こうちゃんによって浄化されたことは、救われる結末だったけれど、物語の中のこととはいえ、熱帯魚達の悲惨な結末は、ひとえに人間の無知さからのもの。それに拘られても、作者は困るかもしれないが・・・。
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